【国際金融資本家・竹中平蔵とアトキンソン「中小企業は消えるしかない」】竹中平蔵氏の思惑は「中小企業を外資に売却」?

【国際金融資本家・竹中平蔵アトキンソン「中小企業は消えるしかない」】竹中平蔵氏の思惑は「中小企業を外資に売却」?~「外資系金融による乗っ取り」ゴールドマン銀行免許取得で始まる、日本の中小企業“食い散らかし”~








■中小企業とは 日本企業の99.7%


日本経済新聞 2020年5月20日


https://www.nikkei.com/article/DGXKZO59317670Z10C20A5EA2000/




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▼中小企業 




中小企業基本法で定義づけられる。


業種によって異なり、製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下、サービス業は資本金5千万円以下または従業員100人以下などだ。




小規模事業者は製造業の場合、従業員20人以下の企業をさす。


この定義は原則で、政府の支援対象は制度により異なる場合がある。




企業全体のうち中小企業が圧倒的な割合を占めるのが日本の産業構造の特徴だ。




2016年の経済センサス活動調査によると、個人事業主を含む中小企業は企業数で全体の99.7%、従業員数で68.8%を占める。


中小企業の経営状況の悪化は日本経済に直結する。




新型コロナウイルス感染拡大による影響への中小企業向けの対策の柱は(1)金融機関による無利子・無担保融資などの資金繰り支援(2)最大200万円の持続化給付金――の2つだ。




これに新しい官民ファンドによる資本注入策を加え、3本柱で中小企業の経営改善を支援する。




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中小企業とは 日本企業の99.7%
日本経済新聞 2020年5月20日
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO59317670Z10C20A5EA2000/












■安倍政権下の政策減税 6割が巨大企業に 13年度以降3兆8千億円 優遇くっきり


東京新聞 2020年9月16日


https://www.tokyo-np.co.jp/article/55723




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法人税の一部を政策的に減税する「租税特別措置」(租特)で、資本金100億円超の巨大企業が受けた減税額の総額が第2次安倍政権発足以来、少なくとも3兆8000億円に上ったことが分かった。全体の6割を超える。財務省資料から本紙が集計した。




専門家は「巨大企業ほど優遇されており、企業間の不公平感を招いた」と指摘。


安倍政権の継承を掲げる菅義偉すがよしひで氏による次期政権でも、巨大企業への優遇姿勢が続く懸念がある。(大島宏一郎)




本紙は、租特の利用状況についての財務省資料を分析。


納税額から一定額を差し引ける「税額控除」による減税額を抽出し、資本金別に足し合わせた。






・巨大企業6割超、中小2割以下、中堅1割以下




第2次安倍政権下で租特が始まった13年度から、18年度までの減税額の合計は約6兆円。


減税額を企業規模別で見ると、企業数では0.1%に満たない巨大企業(資本金100億円超)向けが63%を占めていた。




中小企業(1億円以下)向けは約20%、中堅企業(1億円超~10億円以下)向けは約6%だった。




また、税理士の菅隆徳すがたかのり氏が企業の利益に対して納めた法人税の割合を「負担率」として試算したところ、18年度では中小は18%、中堅は20%なのに対し、巨大企業は12%にとどまった。




本来、法人税は利益の23%分(地方分を除く)を支払うが、租特による減税効果が巨大企業ほど大きいことを示している。


同氏は「巨大企業は利益に見合った税負担をしていない」と指摘する。






・最大は「研究開発減税」3兆7000億円




租特の項目別では、研究開発を積極的に進めた企業を優遇する「研究開発減税」が、13~18年度で計約3兆7000億円と最大。




安倍政権は経団連の要望を受け13年度に同減税を拡大しており、「巨大企業に有利な状況がさらに広がった」(立正大の浦野広明客員教授)との見方も多い。




財務省は、中小だけが対象の減税もあるとして「大企業優遇に当たらない」とする。


しかし、租特の多くは、研究開発費や設備投資額などに応じて納税額を減らす仕組みで、日本総研の立岡健二郎氏は「資金の少ない中小・中堅は減税の恩恵を受けにくい」と話す。




租特には税額控除方式以外の手法もあり、それらの減税も合わせれば巨大企業の減税額はさらに膨らむ。






・租特の政策目的、達成検証進まず




租特の数も第2次安倍政権下では85前後と高止まっており、立岡氏は「政策目的を達成したかどうか検証が進んでいない」と指摘。


浦野氏は「企業規模によって減税の恩恵が偏るのは公平性に反する」と訴える。






※租税特別措置 


国の政策目的に沿って、特定業界や企業への法人税を優遇する制度。
時限立法が原則だが、業界団体の要望を受けた与党の圧力で、延長が繰り返されているものも多い。
財務省は、納税額から一定額を免除する「税額控除」以外の手法を含めた全体の減税額は2018年度で1兆9000億円に上ると試算。
安倍政権は法人税の実効税率(国税地方税を含む)自体も、14年度は34%台だったが、16年度から29%台に引き下げた。




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安倍政権下の政策減税 6割が巨大企業に 13年度以降3兆8千億円 優遇くっきり
東京新聞 2020年9月16日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/55723












■ゴールドマン銀行免許取得で始まる、日本の中小企業“食い散らかし”


週刊ダイヤモンド 2021.7.19 室伏謙一


https://diamond.jp/articles/-/277014




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・ゴールドマンが“今さら”の銀行免許を取得 中小企業淘汰、銀行法改正のタイミング




ゴールドマン・サックスが、日本国内で銀行業の営業免許を取得したというニュースが、7月7日付日本経済新聞電子版(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0702D0X00C21A7000000/)で報じられたが、その後大きな反響はない。




ゴールドマンといえば、外資系金融機関の代名詞のような存在であり、彼らが今さら銀行の免許と思われたかもしれない。それも無理はない。




ところが、先の通常国会で成立した銀行法改正案と、菅義偉政権が執心する中小企業淘汰政策とを併せて考えると、泣く子も黙るゴールドマンの狙いと、その危うさがよくわかる。






・銀行による株式100%取得が非上場でも可能に 優良な中小企業がゴールドマンに狙われる




まず、我が国における銀行業とは何か。


銀行法第2条第2項は、「預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと」および「為替取引を行うこと」と定めている。


また第4条第1項では、「銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ営むことはできない」としている。




ゴールドマンのような外国銀行の場合、日本における銀行業の本拠地となる支店を一つ定めて、内閣総理大臣の免許を受けなければならないこととされており(銀行法第47条第1項)、「外国銀行支店」という扱いとなる。




彼らの日本における主力は、銀行のような免許制ではなく、登録制で参入が容易な証券業のゴールドマン・サックス証券だ。


今回、ゴールドマン・サックス・バンクUSAの日本支店設立が認められ、晴れて銀行業を営むことが可能となる。




その目的は、結論から言えば、菅政権の中小企業淘汰政策に便乗し、これを利用しようということであろう。




この政策の源流は、菅政権発足直前である昨年7月の「成長戦略フォローアップ」にあり、「事業承継、事業承継の促進」をうたったM&A推進政策という文脈では、中小企業事業承継円滑化法の改正を軸とし、中小企業成長促進法などとして着々と進められてきたものの延長線上にある。




なおゴールドマン・サックスが銀行業の免許取得に係る申請を行ったのは、2019年である。


こうした一連の流れや動きを読んでの上での話であろう。




では、この先に何が待ち構えているのか?




それは、日本の中小企業が、そして彼らが有する優良技術や優良事業が、事業承継や中小企業の成長、中堅企業化といった美名の下に、ズタズタに切り裂かれ、外資系ファンドやグローバル企業に食い散らかされ、売り飛ばされていく悲惨な光景である。




なぜそうしたことが言えるのか?




それは、先の通常国会で閣法として提出され、衆参合わせても7時間弱の審議で可決・成立してしまった、銀行法改正案の中身を読めばよく分かる。




改正案の正式名称は「新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案」である。


少々長いが、その心は、新型コロナショックに引っ掛けて、もっともなフリをして改正しようという魂胆だったということであろう。




むしろ、コロナに隠された真の狙いは、銀行自体の業務の範囲の拡大と、出資(議決権の取得等)の範囲の拡大である。




前者は、本来業務の収益が減少の一途をたどってきたところ、本来業務以外にも広く参入を可能とすることで、新たな収益の確保の機会を創出しようというものである。




もっとも銀行の収益の減少の原因は、資金需要の縮小であり、その原因は他でもない、デフレと緊縮財政である。


したがって、銀行の収益を改善したいのであれば、国が財政支出を拡大して有効需要を創出することだ。




後者は、これまで制限されていた議決権の取得を大幅に緩和して、非上場の企業の株式であっても100%取得できるようにするというものである。


これが、新たに銀行業の免許を取得する者、まさに「ゴールドマン銀行日本支店」にとって、最もうまみがあるポイントだ。






・「地域活性化」隠れみのに法改正する卑怯さ 国会で「外資系金融による乗っ取り」指摘




改正案の説明資料によると、銀行は「出資を通じたハンズオン支援の拡充」の一環として、非上場の「地域活性化事業会社」に対し、議決権100%出資を可能にするとしている。




「ハンズオン支援」とは、出資先の早期の経営改善や事業再生支援、新事業開拓支援などを意味する。


また「地域活性化事業会社」とは、「地域の活性化に資すると認められる事業を行う会社として内閣府令で定める会社」である。




そうは言っても、内閣府令に基づいて事業計画を策定し、地域経済活性化機構や商工会議所、弁護士や会計士、税理士、さらにはコンサルティング会社(銀行の子会社や関連会社であるものを除く)が関与していれば、ほとんどの企業がこの「地域活性化事業会社」になりうる。




つまり、地域活性化事業とは名ばかりであり、非上場企業の株式を100%取得できるというところが一番のポイントであることをごまかすため、煙に巻くための修飾語ということだろう。


なんと、卑怯(ひきょう)なことか。




この点に対しては、法案が審議された4月23日の衆議院財務金融委員会https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009520420210423013.htm)で、立憲民主党の長谷川嘉一衆議院議員が、核心を突いた強い懸念を表明している。




「非上場であれば、今までであれば上場していないわけですから買収されないのが通常であったわけですが、非上場であっても議決権、100%出資が可能になるということになるわけであり、銀行が融資状況などを起点として非上場の中小企業を子会社化することもできるということを意味するというふうに私は認識をしております」




「このことは、中小企業にとっては、頼りになる銀行が、頼りにならないどころか、買収サイドになってしまう可能性もあるわけであります。こうした改正が行われるということに対して強い危惧を覚えているところであります」




そして、外資系銀行による中小企業の買収についても懸念を表明し、今回の改正の対象に彼らが含まれるのかについても質問した。




だが、金融庁の官僚の答弁は、「現在、日本では外国の法人が主要株主になっている銀行が存在するというふうに考えております」と、木で鼻をくくったようなものだった。




外国銀行であっても、外国銀行支店として銀行業の免許を取得していれば対象になると素直に答弁すればいいのに、余程やましいところがあるのだろう。


かえって長谷川議員の懸念はごもっともだと答弁しているようなものだ。




これに対して長谷川議員は、次のように意見を述べて、再度、懸念を強調した。




外資の銀行が含まれるのであれば、言葉は悪いんですが、外資銀行が我が国の魅力ある中小企業を乗っ取ることが可能になるということを意味するということになります。このことを併せて申し添えさせていただきます」




ゴールドマンによる銀行業免許の取得の最大の目的は、まさにここにあるということだろうし、長谷川議員はそれを十分理解していたということだ。




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ゴールドマン銀行免許取得で始まる、日本の中小企業“食い散らかし”
週刊ダイヤモンド 2021.7.19 室伏謙一
https://diamond.jp/articles/-/277014














■中小企業が外資銀行の“草刈り場”化か…コロナ禍で「改正銀行法」強行、産業空洞化の懸念


Business Journal 2021.06.19 赤石晋一郎


https://biz-journal.jp/2021/06/post_232473.html




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「この法律はコロナ禍で財政難に苦しむ日本企業を“叩き売る”ための法律にしか思えない。日本経済にとって、あまりにリスクが大きすぎる」


 




5月下旬、私はある経営者に呼び出された。


彼が「リスクが大きすぎる」と嘆いたのは、5月19日に可決した「改正銀行法」についてだった。




この改正銀行法およびその関連法案については、法案に賛成した国会議員の中にもその内容をよく理解していないものが多いと言われている、“謎めいた”法律なのだ。


 




5月19日の日本経済新聞(電子版)はこのように改正銀行法について報じている。






<業務の範囲が制限されてきた銀行に人材派遣やシステム販売などを新たに認める改正銀行法が19日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。事業会社への出資上限を原則5%(持ち株会社では15%)としてきた規制も緩め、地元産品の販売など地域経済に寄与する非上場企業には100%出資を可能とする。超低金利で事業環境が悪化した銀行の収益機会を広げる。(中略)




 海外当局に登録が済んでいて運用実績がある海外の投資ファンドが日本に参入しやすくするよう、登録手続きを簡素化する改正金融商品取引法も可決、成立した>


 




この記事で注目ポイントとなるのは2つ。






「非上場企業への100%出資」を可能にしたことと、「海外投資ファンドの参入簡素化」など外資規制が緩められたことにある。




つまりは「ハゲタカファンドによる日本買い」(前出・経済人)の再来が、大きな懸念として浮上しているのだ。


 




かつて日本はバブル後遺症に苦しんだとき、様々な企業や資産がハゲタカファンドと呼ばれる外資系金融機関に食い荒らされた。


ハゲタカという言葉は、作家・真山仁による一連の経済小説『ハゲタカ』シリーズで脚光を浴び、2007年にはNHKでドラマ化され、2018年にはテレビ朝日でドラマ化されるなど人気を博した。




ドラマなどで描かれたハゲタカファンドの手口は、企業の株や債券を購入した後、自ら経営に介入し、リストラなどを行った後に売り飛ばすというものだ。


 




バブル後には大手企業などがターゲットとされたが、改正銀行法により今度はコロナ禍で苦しむ非上場の優良企業がターゲットにされる可能性が高まっていると懸念されているのだ。


 




金融政策に詳しい経済アナリストはこう解説する。








「改正銀行法の名目としては、地銀生き残り策を考える中でエクイティの幅を広げていくものとしていますが、もう一つの目的は外資銀行の活動範囲を広げることにあります。これまで地域で活動する外銀はわずかでしたが、改正銀行法で支店をつくりやすくなっているので、外銀・外資ファンドによる中小企業の買収活動が活発化する可能性は高い。昨年の外為法改正により上場企業株式については外資の存在に国が目を光らせるようになりましたが、中小企業は監視対象外です。中小企業が債権売却、外銀がそれを購入し、DES(デット・エクイティ・スワップ:企業の債務を株式に転換して財務を改善する手法)による経営権掌握という流れが今後多くなることが容易に想像できます。


日本の地方銀行が腰を据えて支援していかないと、中小企業が外資の“草刈り場”とされ、ますます日本経済の空洞化が進んでしまう危険性がある」










菅首相のブレーンの存在
 




なぜ中小企業をターゲットとするような改正銀行法が成立されたのか。


その背景には、ある人物の存在があると目されている。








「ゴールドマンサックス出身の経済政策専門家であるデービット・アトキンソン氏の入れ知恵ではないかと、永田町では囁かれています。




アトキンソン氏は菅義偉首相のブレーンとして知られ、政府の諮問会議『成長戦略会議』のメンバーでもある。




彼が主張する持論の一つに『中小企業再編』論がある。


その意向を受けての改正銀行法の施行だったのではないかといわれているのです」(政治部記者)


 




アトキンソン氏は雑誌「プレジデント」(5月29日号)では<このままでは日本は発展途上国に没落するかもしれません>と過激に語り、<日本の低生産性の元凶は中小企業にあり――>とか<中小企業は、小さいこと自体が問題。ですから中小企業を成長させたり再編したりして、器を大きくすることをまず考えるべきです>と持論である中小企業再編について語っている。


 




だが、アトキンソン氏が語る中小企業再編論については「結局、外資が潤うだけではないか」(前出・政治部記者)という疑念が常に付きまとうのだ。


 




それには理由がある。


2000年初頭の小泉純一郎政権時代から、自民党は「構造改革」や「成長戦略」を大きな看板とし、小泉政権のブレーンであった竹中平蔵氏を指揮官として金融自由化等を進めてきた。




しかし構造改革によって顕著になったのはハゲタカファンドの暗躍であり、多くの日本企業が買い漁られた現実であった。




外資導入により経済成長率が上がったのかといえば、むしろ逆。日本経済は大きく成長するどころか低成長路線がすっかり定着してしまった。




小泉構造改革の記憶がまだ新しいなか、再び金融改革が行われようとしていることに“悪夢の再来”を感じる識者は少なくない。


今度、売り叩かれようとしているのは、中小企業なのか、と。




 




冒頭で警鐘を鳴らした経営者もこう嘆く。






「改正銀行法は、外国資本の銀行が日本の潜在能力の高い中堅・中小企業を資金力にものを言わせて買い漁ることができるという法案です。いまは政府が経済、特に中小企業を下支えすべき時期なのに、産業基盤に穴を空けかねないリスクの大きい仕掛けをなぜ導入するのか。コロナ禍の不況に乗じてこのような施策を強行するスタンスに疑問を感じます」


 




はたして経済成長の起爆剤なのか、それとも“日本売り”を加速させる亡国法案なのか。


改正銀行法が日本経済にどのような影響を与えるのか、その行方に今後も注目してきたい――。




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中小企業が外資銀行の“草刈り場”化か…コロナ禍で「改正銀行法」強行、産業空洞化の懸念
Business Journal 2021.06.19 赤石晋一郎
https://biz-journal.jp/2021/06/post_232473.html
















デービッド・アトキンソン「中小企業は消えるしかない」論に異議あり


デイリー新潮  2021年01月25日


https://www.dailyshincho.jp/article/2021/01250530/?all=1




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元金融アナリストで「小西美術工藝社」社長を務め、菅義偉政権が新設した有識者会議「成長戦略会議」のメンバーであるデービッド・アトキンソン氏の、「大きくなれない中小企業は消えてもらうしかない」との発言が物議をかもしている。




本当に中小企業が日本の成長性向上の阻害要因になっているのだろうか。




今回の議論の“振り出し”は、2019年9月に出版されたアトキンソン氏の『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか』(講談社)からだ。


この中で同氏は、中小企業数が激増したことが日本の生産性低迷につながっていると主張した。




菅首相は、安倍晋三前首相と近い関係にあった同氏と官房長官時代から親交があり、度々、意見交換を行っていた。


2013年からビザ(査証)発給要件を緩和し、対象国を次々と増やしたことで訪日外国人を激増させた「観光立国政策」も、アトキンソン氏の助言と言われる。




そうした関係から菅首相は就任直後の2020年9月中旬、梶山弘志経済産業相に対して、「中小企業基本法」の見直しによる中小企業の再編を促す仕組み作りを指示した。




そして、同氏は10月16日に開催された「成長戦略会議」のメンバーに選ばれる。


同会議には、竹中平蔵パソナグループ会長、国際政治学者の三浦瑠麗氏など安倍前首相に近かった人物とともに、“友達枠”として選ばれたと言われている。




この成長戦略会議でもアトキンソン氏は、「大企業の生産性が次第に向上している一方、中小企業の生産性は長年低迷しており、成長や再編によって大きくなれない中小企業は消えてもらうしかない」との主張を繰り返している。

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デービッド・アトキンソン「中小企業は消えるしかない」論に異議あり