【自転車ヘルメット努力義務化は国家権力拡大の序章?】政府の強権国家権力が徐々に拡大~新しい戦前?!「治安維持法」「国家総動員法」とは?~
■「公務員なので…」しぶしぶ着用? 自転車ヘルメット、努力義務の街
朝日新聞 2021年11月14日
https://www.asahi.com/articles/ASPCD4CMNPCCOIPE02J.html
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自動車王国・愛知県で、自転車用ヘルメットに熱い視線が注がれている。
10月から着用が努力義務になったからだ。
通事故が多いと言われる土地柄もあり、「ケガのリスクを少しでも減らしたい」という願いが込められている。
ただ、今でも、街でヘルメットはあまり見ない気がする。
面倒くさい?
せっかくセットした髪形が崩れる?
まずは実態を把握するため、行き交う自転車を数えてみた。
・「公務員で、着けろと言われて」
11月上旬、記者が愛知県内の6カ所で1時間ずつ、通行した自転車と、ヘルメットの着用者を数えた。
1748人のうち、着用者は98人。着用率はわずか5・6%だった。
「公務員で、着けろと言われて……」。
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「公務員なので…」しぶしぶ着用? 自転車ヘルメット、努力義務の街
朝日新聞 2021年11月14日
https://www.asahi.com/articles/ASPCD4CMNPCCOIPE02J.html
■まちが大好きだと「大声で叫ぶ条例」施行で何が変わる?市民の本音は
毎日新聞 2023/4/1
https://mainichi.jp/articles/20230331/k00/00m/040/230000c
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埼玉県で2番目に多い約60万人が住む川口市で4月1日、「大きな声で川口が大好きだと叫んでみませんか川口プライド条例」が施行された。
自民党の議員が中心になって制定した同条例。
市民は街の中で「川口が大好きだ」と叫んだ方がいいのか。
「価値観の押し付けだ」と懸念の声も上がる。
吉永小百合さん主演の映画「キューポラのある街」(1962年)の舞台となった川口市。
キューポラはコークスの燃焼熱によって鉄を溶かす炉で、鋳物産業が盛んな地域として知られてきた。近年は東京都心へのアクセスの良さや充実した商業施設が評価され、「本当に住みやすい街大賞 関東ランキング」で2021年まで2年連続1位に輝いた。
22年度の市民意識調査では、「住み続けたい」との回答が85・3%に上る一方、「誇れる魅力がある」は35・3%にとどまる。
川口に愛着や誇りを持ってもらおうと、自民党の市議4人の政策検討チームが条例化を進めた。
連合町会などとの意見交換会や、他会派を交えた勉強会を経て、22年12月の市議会で条例案が賛成多数で可決・成立した。
名称の由来について、チームのリーダーを務めた関裕通議員(49)は毎日新聞の取材に対して、こう説明した。
「新型コロナウイルスの流行の長期化を踏まえ、マスク着用が浸透している今だからこそ、『大きな声で川口が大好きだと叫んでみませんか』と条例名に記載することで、川口プライドを高めていきたい」
条例案に関して意見を公募する「パブリックコメント」(パブコメ)は行われなかったが、関氏は「本市議会の議員提出議案は、実施しないのが例だ」と答えた。
条例は、市民や通勤・通学者らを「みんな」と定義し、「みんなに川口プライドを持つことを強く求めるものではない」としており、大きな声で叫ばなくても罰せられることはない。条例の定めによれば「みんな」は川口に関心を持ったり、魅力を発信したりすることを自由に楽しめばよいという。
市議会の審議では、公明党の石橋俊伸議員(64)が「川口を愛する心を育むことこそ、川口プライドを醸成することにつながる」と賛成意見を述べた。
これに対し、共産党の板橋博美議員(57)は「憲法に保障される内心の自由に反している。多様性を認め合う暮らしこそ魅力あるまちとなる」と反対討論を行った。
条例は、川口プライドを育む市の取り組みについて「財政上の措置を講ずるよう努める」とも定める。市は23年度当初予算には直接関係する事業費を盛り込んでおらず、既存事業の充実から始める方針だ。
だが、4月に控える市議選(16日告示、23日投開票)の立候補予定者からも異論が出ており、日本維新の会の新人、中川峻一氏(35)は「税金の使い道として分かりにくい。ネーミングセンスもずれている」と疑問視する。
JR川口駅前で市民に受け止め方を聞いてみると、評価が分かれた。
60代の女性は「市民のプラスになるよう手探りでやっていることは評価できる」と理解を示した。70代の男性は困惑気味に語った。
「愛着や誇りは気持ちの問題。叫ぶなんて荒川の土手ならいいが、街中では異常だし恥ずかしい。花を植えるとか他の方法があるんじゃないか」
各地の自治体では、都市に対する誇りや愛着を意味する「シビックプライド」への関心が高まりを見せている。
相模原市は、読売広告社都市生活研究所が実施する「シビックプライドランキング」で、18年に調査対象の全国151自治体の中で149位に沈んでいた。
市が主体となってシビックプライドの醸成に着手し、公募の市民らが参加した検討委員会での議論、条例案のパブコメなどを経て、21年に「さがみはらみんなのシビックプライド条例」を制定した。
毎年700万円ほどの予算を計上し、相模原の魅力を投稿するフォトコンテストなどを実施。21年のランキングは76位に上昇した。
相模原市などでシビックプライドの推進に関わってきた牧瀬稔・関東学院大准教授(自治体政策学)は「本来は、まずシビックプライドを高める施策や事業を進め、それでも『難しい』と判断したら、条例化が望ましい。『条例』である限りは、条例に明記した価値観を住民に押し付け、住民を縛ることになるため、住民との合意形成を丁寧に進めていく必要がある」と指摘する。
川口市の条例については「条例は住民の行動を変えていく一つの契機となる。
条例化で予算が確保され、確実に施策や事業が実施されれば、川口プライドが高まる可能性はある」としつつ、「条例には検証(見直し)規定がある。
もし、今後数年間のうちに一度も検証をしないならば、条例制定が目的化していると言わざるを得ない」とクギを刺した。
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まちが大好きだと「大声で叫ぶ条例」施行で何が変わる?市民の本音は
毎日新聞 2023/4/1
https://mainichi.jp/articles/20230331/k00/00m/040/230000c
■「家庭教育」に自治体介入? 進む条例化、議員が旧統一教会と接点
毎日新聞 2023/3/3
https://mainichi.jp/articles/20230301/k00/00m/040/219000c?inb=ys
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家庭教育の重要性を定めた「家庭教育支援条例」が地方で広がっている。
かつて自民党が「家庭教育支援法」の制定を国会で目指したが、公権力が家庭に介入することへの批判が強く、棚上げになった。
条例はその自治体版といえる内容だ。
背景を探ると、伝統的な家族観で一致する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と地方議員の接点が見えてきた。
・準備スタッフは教団関係者
「家庭は全ての教育の出発点だ。今こそ、家庭教育を支援する取り組みが求められている」
2018年5月、東京・永田町の衆議院第2議員会館。
「全国地方議員研修会」に登壇した熊本県議は全国に先駆けて13年に施行された「くまもと家庭教育支援条例」の意義を語った。
集まったのは地方議員数十人。会場準備や議員への連絡など、事務を手伝ったのは旧統一教会の関連団体の会員らだった。
主催は地方議員でつくる世話人会。
代表世話人を務めた静岡県議によると、15年ごろから複数回開かれ、多い時には100人以上の地方議員が集まった。
運営に関与したのは教団系政治団体「国際勝共連合」や関連団体「世界平和連合」のメンバーら。
県議は取材に「教団は家庭を重視しているので、考え方が同じ地方議員の勉強会をサポートしただけ。
教団が組織として条例を広めようとしたのではなく、あくまで主体は地方議員だ」と釈明した。
・「地元にも条例を」
参加した地方議員の中には研修会後、地元で条例作りに動く議員もいた。
「県民全てが家庭教育の重要性を再認識し、社会として支援する取り組みが重要だ」。
19年11月、福井県議会の一室。自民党の元県議(当時は現職)は7人の同僚議員を前に力説した。
元県議は「研修会で感銘を受け、福井にも独自の条例が必要と思った」と話す。
19年7月、自らを会長とする検討会を県議会で発足。条例は20年10月、賛成多数で成立した。
だが、この元県議も教団との接点が発覚した。
元県議は同年2月、韓国で教団の関連団体が主催したイベントに出席。
宿泊代などの経費を政務活動費として処理していた。
国内でも教団関連の会合などに参加。
指摘を受け、16~21年度の政務活動費のうち計18万7947円を自主返納した。
元県議は取材に「先輩議員から引き継いだ日韓交流の活動を通して教団関係者と知り合った。条例制定を働きかけられたことはなく、(教団と)条例を結び付けられるのは心外だ」と話す。
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「家庭教育」に自治体介入? 進む条例化、議員が旧統一教会と接点
毎日新聞 2023/3/3
https://mainichi.jp/articles/20230301/k00/00m/040/219000c?inb=ys
■安倍元首相と旧統一教会系が共鳴した「家庭教育支援法案」の危うさ 地方でも推進し10県6市では条例化
東京新聞 2022年9月3日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/199685
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自民党が制定を目指した「家庭教育支援法案」は、伝統的な家族観を重視してきた安倍晋三元首相らの肝いりの政策であり、保守系団体や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体が後押しをした。
根強い批判の中で、地方では同じ趣旨の条例を制定する動きが進む。
どんな内容か。(太田理英子)
・家庭は「愛の学校」うたう
「今こそ家族を守れ」「『家庭教育支援条例・基本法』で絆を取り戻せ」
教団関連団体「国際勝共連合」の月刊誌「世界思想」の18年2月号に、特集が組まれている。
神奈川県内の議会に、法制定を求める陳情が相次いで出されていた時期と重なる。
記事は、家庭について「人間の心に腹の底からの幸せ感を体験させることができるようにする『愛の学校』なのだ」などと説明し、家庭教育支援の重要性を強調。
国家による家庭への介入だとの法案への批判は「的外れ」と断じた上で、法制定を急ぐべきだと主張している。
・「古い家族像」教団と共鳴か
法案は家庭の教育力の低下を根拠に、家庭教育を支援する施策の推進を目指し、国や学校、地域住民の責務や役割も盛り込んでいる。
基になったのは、第1次安倍政権下で06年に成立した改正教育基本法だ。
「保護者が子の教育に第一義的責任を有する」とし、国や地方自治体に家庭教育の支援施策に努めるよう定めた。
「教団は家長主義的な思想で、男女共同参画や性の多様性を否定してきた。法案には女性の社会進出の視点が欠け、古い家族像が前提となっており、教団が共鳴する内容といえる」。教団に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏は、関連団体が法案を推進する背景をそう指摘し、「日本会議などとも連動して地方議会から中央に意見書を出させ、法整備を働きかける動きは他の政策でも見られる」と話す。
・支援名目で親を「教化」
法制化と並行するかたちで、地方では同じ趣旨の「家庭教育支援条例」が導入されてきた。
昭和女子大の友野清文教授(教育史)によると、今年6月までに静岡県や茨城県など10県6市が制定。
自民議員が提案するケースが多く「思想が近い親学推進協会(一般財団法人としては解散)や日本会議と連動して広がった」と友野教授は分析する。
法案や条例に対し、野党や各地の弁護士会は「家庭教育への公権力の介入を招く」と批判。
法案は17年に提出を断念後、棚上げされているが、地方議会ではなおも立法化を求める意見書が昨年は5件、今年も8月までに2件が可決され、国会に提出された。
岡山県議会は今年4月に条例を制定した。
友野教授は「支援という名の下に、特定の家族像に合うよう親を『教化』する意図が見える。
子どもを権利の主体でなく、客体と捉えている。
条例制定は、行政があるべき家族像や子ども像を押しつける危険をはらむ」と警鐘を鳴らす。
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安倍元首相と旧統一教会系が共鳴した「家庭教育支援法案」の危うさ 地方でも推進し10県6市では条例化
東京新聞 2022年9月3日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/199685
■自転車ヘルメット着用が来春から義務化ってマジ!? 政権内で強まる警察権力〜国民生活の常識とかけ離れたルールが立案され閣議決定されてしまう恐ろしさ
SAMEJIMA TIMES 2022年12月26日
https://samejimahiroshi.com/politics-bicycle-20221226/
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1984年春、中学入学を目前に親の都合で兵庫県尼崎市から香川県高松市に引っ越して最初にショックを受けたのは、自転車で街中を走る中学生たちがみんな真っ白なヘルメットをかぶっていたことだった。
現代の日本を訪れた欧米人が人影のまばらな街角で幼い子まで真っ白なマスクをして歩く光景を目の当たりにして受ける衝撃と似ているかもしれない。
私はまだ思春期とも言えない奥手の12歳であったが、真っ黒な学生服に真っ白なヘルメットをかぶって自転車で街ゆく自らの姿を想像して、あまりに格好悪く、とてもそんなまねはできないと恐れおののいた。
遠い地に来てしまったとしみじみ感じたことを覚えている。
ところが中学に入って1ヶ月も経てば、友達と一緒にヘルメット姿で自転車を必死にこいで通学することに何の抵抗もなくなっていた。
日々の環境や習慣は人間の感性を瞬く間に変えてしまうのだ。
ずいぶん昔の話を思い出してしまったのは、あの時と劣らぬほどの衝撃を受けるニュースに接したからである。毎日新聞の『自転車のヘルメット着用、23年4月から義務化 全利用者に対象拡大』である。
改正道路交通法の施行期日に関する政令が20日に閣議決定され、2023年4月1日から全ての自転車利用者にヘルメットの着用が義務づけられることが決まった。
罰則のない努力義務となる。
すでに13歳未満の子どもについては、保護者に着用させる努力義務が課せられているが、対象が拡大されることになる。
この政令が閣議決定されたからといって、毎朝子どもを自転車の後部座席に乗せて保育園を目がけてペダルを踏み込む母親や、夕刻にスーパーの大きな買い物袋をいくつも自転車のカゴに押し込んで家路を急ぐ母親が、ただちにマイヘルメットを購入して持ち歩くことはなかろう。
「罰則のない努力義務」なのだから目くじらを立てることはないという意見もあるかもしれない。
しかし、である。私はこの閣議決定を看過できない。以下、理由を述べよう。
①警察の巨大利権となる
交通行政はそもそも警察の巨大利権である。
運転免許証の更新や交通標識の設置などに投入される巨額予算は警察に群がる業者を潤わせ、警察官の天下り先を拡大させている。
自転車用ヘルメットの義務化も、実際に着用する人が少ないとしても、全国津々浦々に周知させるための広報費やヘルメット着用を普及させるための外郭団体の新設、さらには推奨ヘルメットの選定など、新しい利権を次々に生み出すであろう。
その原資はすべて私たちの税金だ。
かつて日本政府で幅を利かせてきたのは財務省と外務省だった。
ところが憲政史上最長となった安倍政権は財務省を遠ざけ、警察庁と経産省を重用した。
とりわけ警察庁OBが安倍〜菅〜岸田の3政権10年にわたって官僚トップの官房副長官に君臨した結果、政権中枢で警察庁の影響力を強大化し、いまや財務省や外務省を圧倒している。
経済対策や外交政策よりも国民を管理統制する治安対策が優先されるようになった。
その象徴が外交安保政策の司令塔である国家安全保障局である。
2014年に新設された官邸直属の部署で、外務省出身の谷内正太郎氏が初代局長に就任したが、安倍首相は警察庁出身で自らの首相秘書官を務めた北村滋氏を第2代局長に押し込み、同局内の重要ポストは警察庁出身者が占めるようになった。
菅政権で外務省出身の秋葉剛男氏が局長に起用された後も警察庁の影響力は強く残る。
外務省関係者は「国家安全保障局の役割は、中国、台湾、北朝鮮など東アジア情勢を分析して外交安保政策を立案することなのだが、警察庁がポストや予算を握っている結果、国内治安対策やJアラートなど避難対策ばかりが重視されている」と嘆く。
それほど警察庁の影響力は強まっている。
河野太郎デジタル相が強引に進めるマイナンバーカードと健康保険証の一体化(健康保険証の廃止)でも、当初は運転免許証の一体化方針もあわせて発表されたのだが、いつの間にか消えてなくなった。警察庁が強力に巻き返したからだ。
警察庁の権力は強大になった。
自転車のヘルメット義務化を閣議決定する程度のことは、たやすいことだったろう。
国民生活が困窮を深めるなかで、警察利権は着実に拡大しているのである。
②警察は管理統制が大好き。同調圧力の強い日本社会の風潮は侮れない
利権ばかりではない。
警察という組織は国民を監視して統制することが大好きだ。
国民を逮捕することのできるこの組織は「国家権力中の国家権力」といってよい。
警察権力の源泉は法令である。法律は国会が定め、政令は法律に基づいて閣議決定される。
法令を根拠に警察はさまざまな権力を行使するのである。
自転車のヘルメット義務化に罰則はないとしても、法令によって義務化されたことは侮れない。
警察官はノーヘルで自転車に乗っている人をみかけたら、ただそれだけで「努力義務違反」を口実に、堂々と職務質問することができるのだ。
車の影がまったくない住宅街にある赤信号の横断歩道、至る所にひかれた一時停止のライン…私たちの日々の生活はありとあらゆる「法令に基づくルール」に取り囲まれている。
ふだんは問題にされないことも、警察官がその気になれば「法令違反」を理由に私たちの私生活に口出しできる。
口出しするかしないかは警察官の一存で決まるのだ。
自転車のヘルメット義務化は、警察官が国民の私生活に関与する「新たな武器」を与えたといってよい。
しかもコロナ対策で明らかになったように、日本社会は同調圧力が極めて強い。
外出自粛も営業自粛もマスク着用も法令に基づく「禁止行為」でないにもかかわらず、マスコミは「禁止行為」のように報じ、ほとんどの国民は従ったのだ。
いったんルールが設定されると、たとえ罰則がないとしても、何かの拍子に強力な同調圧力によって事実上の強制措置となる恐れは十分にある。
実際、自転車のヘルメット着用が義務化される来春以降、公務中の公務員や郵便局の配達員、電気・ガス会社の社員ら公的性格の強い仕事に携わる現場の人々から順に、ヘルメット着用の動きが急速に広がる可能性は捨てきれない。
これらの組織のトップたちも、日常生活で自転車を乗り回すことなど無縁の上級国民だからだ。
これこそ、他人を管理統制して支配することを何よりも好む警察キャリア官僚たちが理想とする社会である。
国民がそれぞれ自由奔放に、多様に、楽しく明るく伸び伸びと暮らす社会を、彼らは本質的に望んでいない。
警察権力が強大化する先に待っているのは、国民を監視して統制することが何より優先される警察国家である。
③国民生活とかけ離れた政策立案がまかり通ることに恐怖すら感じる
毎朝子どもを自転車の後部座席に乗せて保育園へ向かってペダルを踏み込む母親や、夕刻にスーパーから大きな買い物袋を自転車のカゴに入れて家路を急ぐ母親の日常生活を思い浮かべることなく、警察キャリア官僚たちが非日常的で非現実的な「自転車のヘルメット義務化」をクソ真面目に企画立案し、それが閣議決定に至ってしまった現実に、私は恐怖すら感じた。
警察キャリア官僚たちは若い頃から都道府県警の幹部として黒塗りの車で送迎され、日常生活で自転車に乗る必要など一切ない上級国民である。
所詮はヘルメット着用義務など他人事なのだ。