【日本の富裕層はフリーターより税金を払っていない?!】所得1億円を超すと税負担率は下がっている!所得1億円超の金持ちほど税優遇される現実~権力者が富裕層と癒着「富を貪っている」構造がある~

【日本の富裕層はフリーターより税金を払っていない?!】所得1億円を超すと税負担率は下がっている!所得1億円超の金持ちほど税優遇される現実~権力者が富裕層と癒着「富を貪っている」構造がある~

 

 

 


■世界の超富裕層1%、資産の37%独占 コロナで格差拡大

日本経済新聞 2021年12月27日

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB272Q20X21C21A2000000/


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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界の富裕層と貧困層の格差が広がったことがわかった。

フランスの経済学者トマ・ピケティ氏らが運営する「世界不平等研究所」(本部・パリ)が発表した。

世界の上位1%の超富裕層の資産は2021年、世界全体の個人資産の37.8%を占め、下位50%の資産は全体の2%にとどまった。


報告書によると、特に最上位の2750人だけで3.5%に当たる13兆ドル(約1500兆円)超を占めた。

上位10%では全体の75.6%を占めた。

1990年代半ば以降に世界全体で増えた資産の38%を上位1%が占めていた。


コロナ禍で経済活動が制限される一方、景気刺激のための財政出動や金融緩和によるマネーが株式市場などに流れ込み、多くの資産を保有する富裕層に恩恵をもたらした。

報告書は「不平等は今後も広がり続ける」とした。


世界全体の所得に占める割合は、上位10%の富裕層が52%に上り、下位50%はわずか8.5%だった。


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世界の超富裕層1%、資産の37%独占 コロナで格差拡大
日本経済新聞 2021年12月27日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB272Q20X21C21A2000000/

 

 

 

 


■世界で広がる経済格差 上位2100人の「富」が46億人分の資産を上回る現実のウラ側(鷲尾香一)

J-CASTニュース 2020年02月06日

https://www.j-cast.com/kaisha/2020/02/06378538.html?p=all


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「世界の富裕層の上位2100人の資産が世界の総人口の6割にあたる46億人分の資産を上回る」――。


国際的なNGO(非営利組織)の「オックスファム」が2020年1月20日ダボス会議世界経済フォーラムの年次総会)に合わせて発表した最新の報告書で、こんな衝撃的な推計が明らかになった。


オックスファム・インターナショナル(Oxfam International)は、貧困と不正を根絶するための持続的な支援・活動を90か国以上で展開している団体で、例年、ダボス会議の開催に合わせて経済格差に関する報告書を発表している。

 

・富裕層の多くが意図的に税金逃れ


この報告書によると、2019年時点で10億ドル(約1100億円)以上の資産を持つ富裕層2153人の富の合計が、世界の総人口の6割にあたる約46億人分の資産の合計を上回っているとし、「富裕層とその他の人々の格差は想像を絶する規模になっている」と指摘している。


その一例として、世界で最も裕福な1%の持つと富の合計は、その他の69億人が持つ富の合計の2倍以上となっていることや、世界で最も裕福な22人の男性の富の合計は、アフリカのすべての女性が持つ富よりも大きいことをあげている。


そして、世界で経済的な格差が広がっている一因として、富裕層や大企業向けの優遇税制が行われていることや、富裕層の多くがタックスヘブンなどを利用して、意図的な税金逃れを行っていることをあげ、富裕層は本来支払うべき税額のうち、3割にあたる額を逃れている、としている。


もし、上位1%の富裕層の富に今後10年間、0.5%の税金を追加すれば、教育、医療、高介護などの分野で1億1700万人の新たな雇用を創出できるようになると指摘している。

 

・権力者が富裕層と癒着「富を貪っている」構造がある


この報告書では、「各国政府は1%ではなく99%の国民の利益になる経済をつくらなければならない」と訴え、(1)富裕層・高額所得者・大企業への課税強化と税金逃れ対策(2)低賃金や無権利となっている介護などの労働者の保護③ジェンダーの不平等の是正―― などを求めている。


ちなみに、オックスファムの2018年時点の報告書では、世界の富裕層上位26人が、世界の人口の約半数となる約38億人と同じ額の資産を保有しており、この約38億人の資産合計は対前年比で11%減ったのに対し、富裕層1900人の資産合計は12%増加しているとしている。

2019年時点と比べれば、格差は一段と拡大しているわけだ。


日本を含め、多くの国がそうであるように、国家や政権、権力者が富裕層と癒着し、富を貪っている構造があり、それが格差を縮小・解消するための法規制などを妨げている要因となっている。


こうした状況を改善しない限り、格差の縮小は難しいのではないだろうか。(鷲尾香一)


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世界で広がる経済格差 上位2100人の「富」が46億人分の資産を上回る現実のウラ側(鷲尾香一)
J-CASTニュース 2020年02月06日
https://www.j-cast.com/kaisha/2020/02/06378538.html?p=all

 

 

 

 

 

 

■「たったの62人」大富豪が全世界の半分の富を持つ、あまりにも異常な世界の現実

週刊現代 2016.02.24

https://gendai.media/articles/-/47989?imp=0


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・日本もすでに超格差社会


その一方で、働けど働けど貧しいままの人は、世界中に数知れない。


「『カネを持っている』ということが、『休暇のあいだに贅沢をしたり、豪華なヨットや自家用飛行機を持つ権利がある』ということだけを意味するのであれば、あまり大した問題ではないでしょう。でも実際には、高度な教育、手厚い医療、安全な暮らしといったものも、金持ちほど手に入れやすいわけです。政治権力への影響力もカネ次第です。事実、大富豪がやると決めた戦争で、今も庶民や貧困層が死んでいる」(前出・サンデル氏)


サンデル氏が教えるハーバード大学でも、学生の親の平均年収は約5000万円。

金持ちの子は最高の教育を受けてエリートになり、ますます富と権力を得る。


貧乏人の一族は、何代経っても貧乏なまま。

今や、それが米国の常識だ。


金持ちと貧乏人の格差が、日に日に大きくなってゆく。

すでに日本も、そんな「超格差社会」へ突入していると、前出のピケティ氏は警告する。


「日本の場合、少子化で人口が減っていることが大問題です。子供の数が少ないということは、これからは相続のとき、一人の子供に多額の資産が集中するということ。当然ながら、金持ち一族に生まれた子と、庶民の家に生まれた子では圧倒的な差が出てきてしまう。出生率を上げない限り、日本国内の格差は今後、広がり続けます」


日本では今、上位1%の富裕層が、国富のおよそ1割を持つようになった。

豊かな「1億総中流社会」が終わりつつあることは、国民も気づいている。


何かと外国人を非難したり、かと思えば「日本はやっぱりすごい」と自画自賛したりする近年の風潮にも、もうすぐ「繁栄の終わり」がやってくるという心細さがかかわっているのだろう。


不安を紛らわそうとするように、日本政府は「トリクルダウン(富の浸透)が起きるから、心配はいらない」と連呼してきた。

グラスタワーのてっぺんに注がれたシャンパンは、グラスのふちから溢れ出し、やがて最下層まで流れ落ちる。

同じように、大企業が潤えばカネは末端まで行きわたり、庶民も豊かになる、と。


だが、アベノミクスの主唱者の一人、元経済財政担当相の竹中平蔵氏が、この年明けに突如「トリクルダウンはない」と発言。

安倍総理以下、政権幹部もトリクルダウンを否定するようになり、国民を唖然とさせた。


ノーベル経済学賞受賞者の、ポール・クルーグマン氏が解説する。


「トリクルダウン説を支持する保守派の政治家や学者は、『富裕層の税金を軽くして、貧困層への福祉は削るべきだ』『さもないと、富裕層は働くのがバカバカしくなり、経済全体の成長が妨げられる』と主張してきました。しかし、時が経つにつれて、トリクルダウンなど起きないということが次第に明らかになってきています。かくなる上は、高額所得者に重税を課し、その税収を貧困層支援に回すしか手はありません」


例えば、今春から所得の低い65歳以上の高齢者に配られる「臨時福祉給付金」は、予算額およそ3600億円。

これで1250万人に一律3万円を支給できるというのだから、柳井氏が持つ2兆3000億円のうち、何分の1かだけでも召し上げて国民のために使うことができたなら、救われる人もいそうなものだ。

 

・カネを転がすだけの人たち


とはいえ、相続で億万長者になった富豪ならまだしも、柳井氏のように、自らの才覚で富を築いた人物からウン千億円も巻き上げるのは、少し理不尽な気もする。

日本の格差研究の第一人者で、京都大学名誉教授の橘木俊詔氏が指摘する。


「私は、自力で成功した経営者は世の中に貢献しているから、たくさんもらう資格があると思います。彼らは大きな会社を作り、何万人という雇用を生んでいますからね。ただ、日本では所得税最高税率が下がり続けています。30年前は最高で70%取られていたのが、今は45%。金持ちが税金を払うことを嫌がり、政府も彼らの言い分を認めているのです。海外の富豪のように寄付をするなど、儲けた分だけ社会に還元するという文化が根付いていないことが、日本の金持ちの最大の問題点でしょう」


いつからか、日本人の間でも常識となった「自己責任」という考え方。

これはつまり、「オレが手に入れたカネは、オレの才能のおかげだから、独占して当然だ」という論理の裏返しである。


しかし、どんな億万長者も、その事業にカネを払ってくれる庶民がいるから暮らしてゆける。

それに、汗水流して働かず、他人のカネを転がして大金を得ているような人々は、本当に世の中を豊かにしていると言えるのか。

格差・貧困研究が専門で、昨年度のノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートン氏も言う。


「大富豪といえども、全員が自分の力だけで地位を築いたわけでは決してありません。たまたま金持ちの家に生まれた人もいる。単に運がよかっただけの人もいる。逆に、彼らに劣らぬ才能を持っていたのに、環境やチャンスに恵まれなかったために、消えていった人もたくさんいます。このまま格差が拡大し続け、すでに地位を得た富裕層だけが世の中のルールを作るようになるのは、非常に危険です」


ごく少数の人々が、圧倒的な富と力を独占している??世界を覆うテロの恐怖も、そんな庶民の怒りが形を変えて噴出したものだとも言える。


少なくとも、この「異常な社会」がまだまだ続くことは、目の背けようのない事実である。


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「たったの62人」大富豪が全世界の半分の富を持つ、あまりにも異常な世界の現実
ピケティ、クルーグマンも警告
週刊現代 2016.02.24
https://gendai.media/articles/-/47989?imp=0

 

 

 

■所得1億円超の金持ちほど税優遇される現実

所得税は60年以上も歪められ続けている~

東洋経済(2017/12/20)梶原一義 

https://toyokeizai.net/articles/-/201951

 

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2018年度税制改正で最大の焦点だった「所得税」の見直しは、高収入のサラリーマンが増税となる一方、株式譲渡益や配当所得など金融所得については大きな改正がなかった。

富裕層は胸をなで下ろしていることだろう。


税金の額を計算する際の基となる「所得」や計算された「税額」などから一定の金額を差し引くことを「控除」と呼ぶ。

12月14日に決定された与党税制改正大綱によると、所得税では、すべての納税者に適用される基礎控除が38万円から48万円へと10万円引き上げられる。


サラリーマンや公務員など給与所得者の税負担を軽くする給与所得控除は一律に10万円引き下げられ、上限額は現行の「年収1000万円超で年220万円」が「年収850万円超で年195万円」に引き下げられる。


そのため、年収850万円超の給与所得者で、22歳以下の子どもや介護が必要な人がいる世帯を除く約230万人が2020年から増税となり、給与所得控除の縮小の影響を受けない自営業者やフリーランスの人は、大半が減税となる。

年収850万円超の層は消費の牽引車であるため、今回の増税の影響による消費の一層の冷え込みが懸念される。

 

・著しく「空洞化」が進んでいる所得税


拙著『税金格差』でも詳しく解説しているが、所得税は、2016年度(一般会計ベース)で17.5兆円と税収が最も多い「国の基幹税」として、財源調達の機能や所得再分配機能(所得の格差を是正する役割)が期待されている。


ただ、バブル期前後から相次いだ税率のフラット化(税率構造の圧縮)による最高税率の引き下げ(75%→45%)や、富裕層に集中している株式譲渡益への課税が10~20%という低率な分離課税で推移してきたことなどで、財源調達機能や所得再分配機能の低下が著しい。


所得税収はバブル期の1991年の26.7兆円をピークに漸減。

最近はアベノミクスの影響により17兆円台で推移しているが、ピーク時の3分の2だ。その間、所得が少ない高齢者や、給与水準が低い非正規雇用労働者の増加などで格差が拡大。


国民の所得格差を表し、ある国や地域の大多数よりも貧しい相対的貧困者の全人口に占める割合である「相対的貧困率」は2015年に15.6%と、「約6世帯に1世帯は貧困」という状況になっている。


そうした中で行われた2018年度税制改正では、所得税の財源調達機能や所得再分配機能の回復につながる改正が期待されたが、前述のように基礎控除の10万円引き上げと給与所得控除の10万円引き下げなどの小規模なものにとどまり、税としての根本的な改革からはほど遠い内容に終わった。


所得税の空洞化につながっている最高税率の引き下げや株式譲渡益への低率課税の状況を見ていこう。

所得税は、所得が多いほど適用税率が高くなる「超過累進課税」により、バブル期の頃まで税収は着実に増えていた。


当時は税率の区分が小刻みで、バブルが始まった頃は15段階あった。

そのため所得増加に伴う重税感が募り、1987年、1988年、1989年と相次いで「税率構造の圧縮」が行われ、最高税率は70%から50%へと引き下げられた。


さらに、バブル崩壊と平成大不況に見舞われていた1999年には税率が4段階(10%、20%、30%、37%)まで圧縮されたが、その後の「国と地方の税源をめぐる三位一体改革」や旧民主党などの連立政権下での税制改正により、今日、税率区分は7段階となり、最高税率は45%に戻っている。

しかし、ピーク時(1983年以前)の75%より30ポイントも低い。


所得税は、所得が増えるにつれてより高い税率が課せられる超過累進課税だから、税率構造の圧縮や最高税率引き下げは高所得層(富裕層)には減税効果が大きい。

そのため、富裕層や個人事業者に多い申告所得税の税収はピーク時(1990年度)に7兆2168億円だったのが、1999年度以降はほぼ2兆円台で推移している。これが所得税収減少の最大の要因である。


こうした状況を踏まえ、内閣府による2009年度『年次経済財政報告』の「税・社会保障による所得再分配」の項には、税による所得格差の改善度が下がっている原因についてこう書かれている。


「税については、所得税負担軽減の一環として行われた所得税最高税率の引き下げや税率のフラット化など、近年の税制改正の影響などによって、その再分配機能が低下したためと考えられる」。

 

・半世紀以上も歪められたままの税制


所得税空洞化のもう1つの要因は、株式譲渡益や配当所得など富裕層に偏っている金融所得に対して、10~20%という低率の「分離課税」が続いていることだ。

所得税は、あらゆる所得を合算して、それに超過累進税率(現在の最高税率は45%)を課す「総合課税」が基本である。


しかし、金融所得については、「株式市場活性化のため」といった理由で、長年、申告分離課税あるいは源泉分離課税が定着しており、所得税所得再分配機能を弱める典型的な「不公平税制」になっている。


戦後間もない1949年、GHQ連合国軍最高司令官総司令部)が米国から招聘したカール・S・シャウプ博士(コロンビア大学教授)ら7人の財政学者・経済学者から成る日本税制使節団がまとめた報告書、いわゆる「シャウプ勧告」は、「日本の税制の憲法」とも称せられ、「税負担の公平性」を第一義としていた。

これに沿って、1950年度税制改正で、株式譲渡益は総合課税化された。


その後、折からの朝鮮動乱勃発の特需で流れが変わり、「朝鮮特需対応のためにも企業の資本蓄積が急務だ」という機運が高まって、1953年度から株式譲渡益は原則非課税となり、それは1988年度まで36年間にもわたって続いた。

これが戦後の証券会社の発展に大きく寄与したのは言うまでもない。


だが、これは「不公平税制の典型」との批判が強まったため、1989年度から課税化され、2002年度まで譲渡額に約1%の税率を課す源泉分離選択課税が主流となった。

しかし、これについても「世界に例を見ない投資家優遇税制」との批判が強まり、2003年度から申告分離課税(税率20%)に一本化されたが、「投資家のショックを和らげる激変緩和措置」としての軽減税率(10%)が2013年度まで11年間も続いた。


2014年度からようやく税率は20%になったが、この数字も先進諸国の中では低い。

2016年3月23日、参議院財政金融委員会で当時の財務省の佐藤慎一主税局長(前事務次官)は、野党議員からの「1億円以上の株式売却益に対する日本および欧米諸国における税率は?」との質問に対して、「日本は20%、アメリカはニューヨーク市の場合30.726%、イギリス28%、ドイツ26.375%、フランス60.5%」と答弁している。

 

・所得1億円を超すと税負担率は下がっている!


前述のように、株式譲渡益や配当所得など金融所得は、富裕層に集中している。


国税庁の「2014年分申告所得税標本調査結果」によると、株式譲渡益と配当所得が各3000万円超の人数はともに全申告者の1割前後だが、彼らの所得は配当所得で全体の7~8割、株式譲渡益で8~9割を占めており、その比率は年々上昇している。高所得者への「富の集中」が進んでいるのである。


高所得層ほど全所得に占める株式譲渡益の比率が大きくなる傾向が顕著であり、年間所得50億円超の層の所得の9割以上は株式譲渡益である。

それゆえ、彼らにとって、2012年末に誕生した第2次安倍晋三政権による株高政策は大変な恵みだったろう。


2013年度までは税率が10%で、2014年度からは20%に上がったとはいえ、所得税最高税率45%の半分以下で済んでいるのだから、濡れ手で粟のようだった。

「税負担の公平性」を第一義としたシャウプ勧告からは遠く外れている。


このように、高所得層の所得の大半を占める株式譲渡益に対して、税率10~20%と低率の分離課税が適用されてきたから、「高所得者ほど所得税負担率が小さくなる」という奇妙な現象が続いている。


株価が急騰した2013年度における申告納税者の所得階級別の所得税負担率を見ると、所得1億円までは負担率が上昇していくが、1億円を超すと負担率が下がっていく。翌2014年度から税率が20%になったから、高所得層の税負担率は若干上昇しているが、1億円を境に負担率が下がっていく傾向は変わらない。


給与所得者は所得税源泉徴収されるから、節税の余地はない。

これに対し、株式譲渡益が集中している富裕層は合法的に巨額の節税ができる。


これこそが、今日の格差拡大の最大の要因である。

 

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所得1億円超の金持ちほど税優遇される現実
所得税は60年以上も歪められ続けている~
東洋経済(2017/12/20)梶原一義
https://toyokeizai.net/articles/-/201951

 

 

 


■突如浮上した“超富裕層増税”の罠 年収30億円超への課税強化で「1億円の壁」問題は解決しない

日刊ゲンダイ:2022/12/14

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/315908


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国民をなめるにも程があるのではないか。


政府自民党は、1年間の総所得が30億円を超える超富裕層への課税を強化する方針を固めた。

年間所得が1億円を超える富裕層ほど所得税の負担率が下がる、いわゆる「1億円の壁」の是正に踏み切るという。


13日自民党税制調査会の宮沢洋一会長が、「年収平均30億円くらいの方について少し負担を増やさせていただく」と表明した。

年間所得が30億円を超える超富裕層は、全国に200~300人いるという。


「1億円の壁」が生じるのは、「給与所得」の所得税率が金額に応じて55%まで上がるのに対し、株式の配当などの「金融所得」の税率が一律20%と低いためだ。

金融所得が多い富裕層ほど税負担が軽くなるという不公平が生じていた。

岸田首相も総裁選で「1億円の壁の打破」を掲げていた。


しかし、さっそくネット上では<だからさ、1億円の壁が問題になっているのに、なぜ「所得30億円以上の超富裕層の課税強化」に限定する?>といった疑問の声が噴出している。

立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)が言う。


「一握りの超富裕層への課税を強化しても問題は解決しませんよ。『1億円の壁』が生じるのは、金融所得の税率が20%と低く、分離課税が認められているためです。まずは、給与所得と合わせた総合課税にすべきです。そのうえで累進を強化することです。本来、課税は応能負担が大原則なのに、日本の所得税は過去50年間“金持ち減税”を実施するために断続的に累進率が小さくされてきた。もう一度、累進を強化すべきでしょう」


累進化が高かった1974年当時の累進率に戻すと、ざっと11兆円の税収増になるという。

超富裕層への課税強化には、とんでもない罠が仕掛けられている危惧もある。


「いま岸田内閣は、防衛費増税を推し進めようとしています。超富裕層増税を実施することで、大衆に対しても『皆さんにも負担をお願いしたい』と訴えるつもりなのではないか。超富裕層増税は、大衆を黙らせるのが目的という疑いがあります」(浦野広明氏)


国民がだまされると思っているとしたら、大間違いである。


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突如浮上した“超富裕層増税”の罠 年収30億円超への課税強化で「1億円の壁」問題は解決しない
日刊ゲンダイ:2022/12/14
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/315908

 

 

 

 

■安倍首相「消費税上げても大企業・富裕層に増税はダメ」443万回再生の動画が暴露、年金の「国家的詐欺」
 
Yahoo!ニュース 2019/6/27 志葉玲

https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20190627-00131821


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金融庁のワーキンググループが「平均的な高齢者が退職後の30年間を生きる場合、年金収入だけでは2000万円不足する」「自助の充実が必要」との報告書をまとめた問題で、小池晃参議院議員(共産)が、安倍晋三首相を追及する動画がネット上で話題となっている。


この動画は、大企業や富裕層への税率を上げ、それを財源に年金制度を立て直そうという国会でのやり取りを紹介したもので、今月10日にツイッターに投稿されてから、既に443万回以上、再生されている。

 

○443万回再生動画の中身


動画が紹介したのは、今月10日の参議院決算委員会での小池議員と安倍首相のやり取り。

同委員会で、小池議員は、金融庁ワーキンググループ報告書について、「百年安心だと言っていたのが、いつの間にか人生百年の時代だから年金当てにするなと、自己責任で貯金せよと。国家的詐欺に等しいやり方ですよ」「この貧しい年金制度をどうするのかを真剣に考えるのが政府の責任なんじゃないですか」と追及。


これに対し、安倍首相から「小池さんは、それをどうすればいいとおっしゃっているんでしょうか」と聞かれた小池議員が対案を述べるところから動画は始まる。


小池議員:「だから、私たちはこれをしっかり底上げしようではないかと言っている。財源も、法人税について、大企業にせめて中小企業並みの基準で法人税の負担を求めれば、これ4兆円出てまいります。それから、株で大変なもうけを上げている富裕層の皆さんに平等に所得税を払ってもらう、そして所得税最高税率を上げていく。これで3兆円の財源出てまいります。こういった財源を私ども示して、年金の底上げをやろうじゃないかということを提案していますから」


安倍首相:「それは全く馬鹿げた、政策なんだろうと、こう言わざるを得ない。間違った政策だと思いますよ、それは。日本の経済自体が相当のダメージを私ははっきり言って受けると思います」


小池議員:「実際、安倍政権になってから6%年金削っているんですよ。何を胸張って言っているんですか。さらに、これからだって、今、はっきり増えないと言ったけど、減るわけでしょう。マクロ経済スライドで。明らかに減るんですよ。それをこの報告書では正直に言ったのに、慌ててまた隠している。私はこういう姿勢こそが年金不安をあおっていくんだと思いますよ。やっぱり正直に認めるべきですよ。これから年金はどんどんどんどん目減りしていきますと。今の生活水準は保障できなくなりますと」


「私は、そういったことを正面から問うて、じゃ、F35に1兆円使うとか、そういったことが許されるのか。笑っている場合じゃないでしょう、菅さん。やっぱり税金の使い方見直さなきゃいけないでしょう。こんな貧しい年金で」


「何を平然とこれが将来世代のためだなんて言えるんですか」


「こんな年金の問題をそのままにしておいたら、それこそ将来不安をあおり、内需を冷え込ませ、消費を抑えていく。で、消費税を更に増税する。こんなことをやったら、日本の経済、大破綻になりますよ。私は、今必要なのは、税金の使い方、集め方を根本から切り替えて、大企業にもちゃんと物を言って、内部留保400兆円もあるんだから、しっかり負担をしてもらうべきじゃないですか。そして、株で大もうけをしている人たちには、所得1億円を超えるとどんどんどんどん所得税の負担が下がっていく、こんな逆転現象やめようじゃないですか。今回の金融庁のこの報告を機に私は真剣に考えるべきだと思いますよ」

 

○大企業・富裕層優遇の安倍政権


実際の国会中継を観てみると、安倍首相が「馬鹿げたこと」と言っているのは、マクロ経済スライド*をやめることについてであり、ツイッター上にあげられた動画のこの部分については、実際のやり取りを歪めた恣意的な編集だと言えよう。

ただ、小池議員の「富裕層や大企業にかける税率を上げて年金の財源とすべき」という主張に対し、安倍首相は以下のように反論している。


「ただいまの財源については、それは全く私は信憑性がはっきり言ってないと思いますね、全然、それは。日本の経済自体が相当のダメージを私ははっきり言って受けると思います。言わば、経済は成長どころかマイナス成長になるかもしれないし、それによって税収はこれは逆に減っていくだろうし、これ、収入が減れば保険料収入は減っていくことにつながっていくんだろうと思います」


つまり、全体の文脈からすれば、ほぼツイッター上の動画の通りだとも言えるだろう。

安倍首相は、大企業や富裕層への増税に対しては「日本の経済自体が相当のダメージを受ける」と否定的であるが、安倍政権が参院選後に行う消費税の税率引き上げは、GDPの6割を占める個人消費の落ちこみにつながり、日本経済に深刻な悪影響が及ぶと、多くのメディアや専門家から指摘されている。


アベノミクスでの円安誘導の下、トヨタのように輸出の多い大企業は過去最高益を叩き出すものの、報道各社の世論調査では「景気の実感を感じない」との声が大多数、むしろ原材料費のコスト増などによる物価上昇の中で、実質賃金は低下し格差は拡大している。


また、今回の金融庁ワークグループの報告書にも書かれているように、高齢者が年金だけでは生活できなくなること自体は、経産省の審議会など政府の他の報告からも明らかだ。


安倍首相の姿勢が、「大企業・富裕層を優遇」「庶民に対しては冷淡」と受け取られているからこそ、小池議員とのやり取り動画に、注目が集まっているのだろう。


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安倍首相「消費税上げても大企業・富裕層に増税はダメ」443万回再生の動画が暴露、年金の「国家的詐欺」 
Yahoo!ニュース 2019/6/27 志葉玲
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20190627-00131821

 

 

 

 

■元国税が指摘「日本の富裕層はフリーターより税金を払っていない」不都合な事実

まぐまぐニュース 2021.09.02

https://www.mag2.com/p/news/509910


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・金持ちの税負担はフリーター以下


実は今、日本でもっとも税金を払っていないのは富裕層です。こういうことを述べると「日本の金持ちは決して優遇されてはいない」「日本の金持ちは世界でもトップレベルの高い税金を払っている」と反論する人もいるでしょう。


インターネットの掲示板などでも、日本の富裕層は世界一高い所得税を払っている、というような意見をよく目にします。


しかし、これはまったくデタラメです。

確かに、日本の所得税の税率は、世界的に見て高いです。


しかし、これには、カラクリがあります。

日本の富裕層の所得税には様々な抜け穴があって、名目税率は高いのだけれど、実質的な負担税率は驚くほど安いのです。


むしろ、日本の富裕層は先進国でもっとも税金を払っていないといえるのです。


日本の税制では、富裕層の最高税率は50%です(所得税と住民税を合わせて)。

最高税率50%というのは、先進国ではトップクラスであり、これだけを見れば日本の金持ちはたくさん税金を払っているように見えます。

しかし、日本の金持ちの場合、税制に様々な抜け穴があり、実質的な税負担は欧米の先進国よりもかなり低いものとなっています。


というより、日本の超富裕層の実質的な税負担は、なんとフリーターよりも安いのです。

下の表は、年収5億円の配当収入者と年収200万円のフリーターの実質的な税負担の比較です。


配当収入者というのは、大企業の株などをたくさん持ち、多額の配当などを得ている人のことです。

富裕層の多くはこういう形で収入を得ています。


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年5億円配当収入者と年200万円フリーターの税負担の比較

         配当収入者  フリーター
所得税・住民税   約20%    約6%
社会保険料     約0.5%     約15%
収入に対する消費税 約1%     約8%
合計        約21.5%   約29%


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これを見ると、富裕層はまず所得税、住民税自体が非常に安いことがわかるはずです。

高額所得者の名目上の最高税率は50%なのですが、配当所得者は約20%なのです。


日本には、配当所得に対する超優遇税制があります。

配当所得は、どんなに収入があっても所得税、住民税合わせて一律約20%でいいことになっているのです。

平均的サラリーマンの税率とほぼ同じです。


これは、配当所得を優遇することで、経済を活性化させようという小泉内閣時代の経済政策によるものです。

先ほど述べましたように、富裕層の収入は持ち株の配当によるものが多いのです。

だから富裕層の大半は、この優遇税制の恩恵を受けているのです。


また配当所得者に限らず、「経営者」「開業医」「地主」など富裕層の主たる職業ではだいたい税金の大きな抜け穴が用意されています。

名目通りの高額の税率を払っている富裕層はほとんどいないといっていいのです。

 

・日本の金持ちは社会保険の負担も著しく低い


そして富裕層の実質税負担が少ないもう一つの要因が社会保険料です。

国民の税負担を検討する上では、税金と同様の負担である社会保険料も含めたところで、考えなくてはなりません。


社会保険料というのは日本の居住者であれば、一定の条件のもとで必ず払わなくてはならないものです。

そして社会全体で負担することで、社会保障を支えようという趣旨を持っており、まさに税そのものなのです。

国民健康保険の納付書などには「国民健康保険税」と記されています。


そして社会保険料の負担率を加味して検討した場合、「富裕層優遇」というのは、さらに鮮明になるのです。

今、国民の多くは、社会保険料の高さに苦しんでいます。


社会保険料は年々上がり続け、税金と社会保険料を合わせた負担率は40%にのぼっています。

これは実質的に世界一高いといえます。


「日本は少子高齢化社会を迎えているのだから、社会保険料が高くなるのは仕方がない」国民の多くは、そう思って我慢しているはずです。


しかし、しかし、富裕層の社会保険料の負担率は、驚くほど低いのです。

5億円の配当収入者ではわずか0.5%に過ぎないのです。


現在の社会保険料は、原則として収入に対して一定の割合で課せられています。

たとえば厚生年金の場合は約8%です。


しかし社会保険料の対象となる収入には上限があります。

たとえば国民健康保険の場合は、介護保険と合わせて約100万円です。

つまりいくら収入があろうが100万円以上の保険料は払わなくていいのです。


国民健康保険の上限に達する人は、だいたい年収1,200万円程度とされています。

ということは、1億2,000万円の収入がある人の負担率は、年収1,200万円の人の10分の1でいいのです。


6億円の収入がある人は、50分の1でいいのです。

収入が増えれば増えるほど、社会保険料は負担率は無料のように安くなっていくのです。


社会保険料の上限制度というのは、ほかの先進諸国にもありますが、欧米の先進諸国では、社会保険料の負担の多くを企業が担っています。

企業が社会保険料の大半を担っているということは、間接的に株主が担っているということであり、富裕層が担っているということになります。


が、日本の場合、サラリーマンの社会保険料は企業と社員が折半となっていますし、そもそもフリーターなどの場合は、会社から社会保険に入られないことが多く、全額自費で払っていることが大半です。


また上の表にあるように、金持ちは消費税の負担率も非常に低くなっています。

消費税の場合、低所得者は収入のほとんどを消費に回してしまうので、「収入に対する税負担率」は限りなく消費税率に近づきます。


しかも日本の消費税は、ヨーロッパ諸国の間接税のような生活必需品の税率を非常に低く抑えるというような配慮もありません。

だから、低所得者の消費税負担率はほぼ10%になるのです。


その一方で、富裕層は消費するのは収入のごく一部であり、収入の大半は貯蓄や投資に充てられます。

年収5億円の人が年間1億円を消費し、残りの4億円は貯蓄や投資に充てた場合は、収入に対する消費税負担率は2%になります。


つまり収入に対する消費税負担率で見た場合、年収200万円のフリーターの方が、年収5億円の配当所得者よりも何倍も高いのです。

このように、日本の税制というのは、よくよく詰めていくと、金持ちがものすごく優遇されているのです。


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国税が指摘「日本の富裕層はフリーターより税金を払っていない」不都合な事実
まぐまぐニュース 2021.09.02
https://www.mag2.com/p/news/509910

 

 

 

 

 

 

 


■迫る消費税11%超えと日本衰退。富裕層・大企業だけ税逃れ、一般市民は「消費したら罰金」のコロナ増税へ=鈴木傾城

まぐまぐニュース 2021年9月23日

https://www.mag2.com/p/money/1103959

 

 

 

 

■大金持ちに「富裕税」をかけたら、社会はここまで変わります

アメリカでは導入に現実味が出てきた~

・中間層以下が資産を持つ方が消費は拡大する

週刊現代講談社)2019.12.25

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69429

 

 

 

■資産家にとって消費税が「おいしい税制」である理由

Forbes(フォーブス) 2022/04/27

https://forbesjapan.com/articles/detail/44301

 

 

 

■経営者、開業医、地主…本物の富裕層が「日本の税金は世界一安い」とこっそり笑う大きな抜け穴の正体

PRESIDENT Online 2022/04/21

https://president.jp/articles/-/56777?page=1

 

 

 


■消費税の逆進性 ~所得少ないほど負担重く~

日本経済新聞(2012年5月16日)

https://www.nikkei.com/article/DGXDZO41459940W2A510C1EA2000

 

 

 


■日本の税金は不平等~富裕層がトクをして庶民は貧しくなる理由

「消費税が上がっても給料が上がらない人は多い」

「本来、税や保険料は、富める者から貧しい者に再分配をして、自由な経済活動で生じた格差を是正するためにある」

文春オンライン(文藝春秋)2017/03/28

https://bunshun.jp/articles/-/1839

 

 

 

■消費税は社会保障に 実際は大企業や高額所得者の減税穴埋めに?

~元国税が暴露。「消費税は社会保障のため不可欠」が大ウソな理由~

ライブドアニュース 2018年11月20日

https://news.livedoor.com/article/detail/15620119/